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川沿いの踏み跡を、僕と彼と。上流に向い一列になって歩く。 川は何時も通り仄かに蒼く、どこまでも澄んでいて、鱒の気配がもんもんとする。 時間的にも、時期的にも、そうして水位的にも、魚が水面を割って何かを捕食している様子はちょっと見られそうに無いのが残念だけど、川は抜群の水色で滔々と流れ下っている。
川沿いの踏み跡は、うっすらと、非常に曖昧にいやらしい角度で川に向かって傾斜している。 齢35を超え、足腰の劣化が目立ち始めた僕にとって、決して歩きやすいものではない。 と、踏み出した左足が傾斜をとらえ損ね、ほんの少しだけバランスを崩した。 そのまま僕は呆気なく転倒。というか、両膝から糸が切れた操り人形のように、それはそれはスムーズにストンと崩れ落ちた。その様はフライング・ダブルニーアタックと言えば分かり易い。そんな形で両膝からストンと落ちた。 ・・・のだが、どういうバイアスが働いたものか、僕はそのままヒョイと跳ね返るように立ち上がって、何事もなかったかのように、再び踏み跡を上流へ向って歩き出した。 『だ、大丈夫か!?』 後ろから彼が声を掛けてくれたのは、僕がフライング・ダブルニーアタックから跳ね返って一歩を踏み出したのとほぼ同時だった。 『うん、大丈夫。』 咄嗟にそう答える。 漢(おとこ)たるもの人に残念な所を見せちゃならないのだ。いくら辛かろうが、悔しかろうが、痛かろうが、精一杯背伸びをして、胸を、虚勢を張って生きていかなかければならないのだ。 いや、実際その瞬間は、着地の衝撃がガンときた程度で、まぁ痛いけども大騒ぎするほどのものでは無かった。 しかし、骨に響いた痛みというのは、若干のタイムラグを伴って襲い掛かってくる。歩数に直すと丁度3歩目から。 ジィィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!! とクレッシェンドで襲い掛かってくる猛烈な痛み。独りだったならば、間違いなくその場にへたり込んでいたであろう程の、人生でこんなに痛いの初めて!と、今振り返っても言える程の痛み。 それが一歩足を出すたびに、ジィィィィイン、ジィィィィインと、人生最高を次々と更新しながら襲い掛かってくる。 こんなじゃ歩けない。 でも、僕は漢なのだ。 後ろを歩く彼にも『大丈夫』と言ったんだから、それはもう大丈夫なのだ。 漢が一度そう口にした以上、それは大丈夫でなければならないのだ。 僕の両膝はあまりの激痛に、この世に生れ落ちたばかりの小鹿のようにプルプルと震える。そいつを無理矢理押さえつけ、歯を食いしばり、脂汗をダラダラ流しながら、痛みで狭くなる歩幅を無理に伸ばし、後ろの彼に気取られぬよう懸命に歩く。 彼も、恐らくは僕の異変に気が付いていたはずだ。しかし彼は何も言わない。 そう。彼もまた紛れも無い『漢』だからだ。 とたどり着いた先で彼にポイントを譲った僕は、ようやく両膝の痛みを癒すべく、川原の草むらに腰を下ろした。 空も、川も、風も。黙って僕の気持ちを汲んでくれた彼の背も。その全てが清々しく、世界は本当にwhat a wonderful world だった。 漢たるもの。 記念撮影サイズのexcellentなイワナをオートリリースしても 見たことも無いような迫力で、水面のケバリを引っ手繰ったmarvelousなアメマスをバラしても 『これは貰った!!!』と浅瀬に引き上げる寸前までいった、superなred bandのニジマスに、すんでのところで釣り糸を切られても 『参ったな』 サラリと。 心の中が、マタドールが翻す、真紅のムレタに殺到する闘牛が如きに沸き立っていようとも 頬を撫でる春風の如き爽やかさで、サラリ言ってのければならないのだ。 それが『漢』というものなのだから。
by inutarouzamurai
| 2009-08-10 16:38
| ■釣り日誌
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